2019年1月28日発売の週刊ヤングマガジン9号に連載中の『センゴク権兵衛』。
最新話のあらすじと感想をネタバレありで紹介します。
センゴク権兵衛 前回126話のネタバレとあらすじ
センゴク権兵衛 前回126話のネタバレとあらすじはコチラ!!
センゴク権兵衛 127話のネタバレとあらすじ
仙石秀久、鎮西(九州)の恥辱を雪がんとて、無の旗を掲げ小田原の役に参戦す。
従う忠勇の士は三十騎。
後世に謂う「両祖出陣」である。
鷲見九市郎「木曾川から尾州へ渡り、徒歩にて東海を経て、いざ関東へ」
仙石権兵衛(以下、権兵衛)「ちと回り道じゃが、長良川を渡りたいんじゃが、良ぇか?」
仙石筑後(以下、筑後)「長良川? 鵜飼の鮎、分捕ってくと!? …正気ですか」
権兵衛「…野盗じゃねんだぞ。ちと岐阜城を見たいんじゃ」
鷲見藤兵衛次久(以下、次久)「稲葉山城か、懐かしいの」
権兵衛「そうじゃ、ワシが戦国の世に進んだ第一歩じゃ」
一行、長良川の船上にて、岐阜城を仰ぐ。
権兵衛「生き恥ともいえ、ここで生きるんを選んだんじゃ……」
次久「如何だったかね、第一歩は」
権兵衛「……右も左もわからんクセに、やたら熱かったの~。“絶対生きる”ちゅうときながら、敵中に突っ込んで。隙見て逃げりゃ良えもんを、名乗り上げて目立とうとしての~」
筑後「……なんで生き残っとるんですかの」
権兵衛「不条理なもんじゃ。敵ん中にも、それを“面白い”思ってくれる御仁もおるんじゃろの」
筑後「信長公ですか?」
権兵衛「……じゃの。それと後で知ったんじゃがの、信長公に『面白い者がおる』て伝えたんは堀久太郎らしい」
織田信長、堀久太郎をはじめとする信長の旧臣たち、彼らと共に戦国の世を駆け抜けた日々が、権兵衛の回想の中に廻っていく。
権兵衛「そうじゃ、清州城寄って桶狭間合戦の道辿るか?」
一同「同意。是非! 当然、寄らんわけにゃいかんじゃろー」
尾張は熱田神宮。
岡田平内「尾州は信長公とそして、殿下の生国にございますな」
筑後「殿下は禁中のご落胤と喧伝しておられるが、百姓じゃったちゅう話じゃの」
次久「ハッハ、僅か三十年で天下人とは、想像だに能わず」
権兵衛「じゃの~。ワシもつくづく……、凄い方々に仕えたもんじゃ」
金ヶ崎退き口、姉川合戦での先駆け、小谷城攻めなど、秀吉・竹中半兵衛の下、死線をくぐり抜けてきた記憶が、権兵衛の脳裏に蘇る。
筑後「……やっぱり殿下は凄い御方で?」
権兵衛「……ああ、凄い。殿下が難攻不落の城を次々陥落させてったのは知っとる通りじゃ。じゃが、それどころじゃねぇぞ。合戦しとる最中にもう頭ん中は、いかに統治するか、どう銭を回すか、次はどこを攻めるか、先の先の先を考えとる」
天下統一事業が急速に進んでいくその途上の九州平定時、秀吉の命令を無視し、大敗を喫してしまったことへと、権兵衛の回想は至る。
荻原十蔵「なんで、そんな凄い御方の命令無視しちゃったんスか?」
権兵衛「……うーむ、正直わからん……、色んな欲が絡まった、……としか言えんの-」
権兵衛はその当時をよくよく振りかえってみるも、
権兵衛「思えば結局、最初の稲葉山城ん時から、敵中に突っ込んじまったしの~、やっぱり理由はわからん!」
野崎権ノ助「…その何というか……」
相原勘介「第一歩の頃からず~っと、一切の成長が……」
中村彦三郎「…やめとこうや」
権兵衛「とかく、こうして昔話したんはの! そういう色んな我ぁ捨てて、美しい思い出にすがりもせん、失敗をひきずりもせん。まあ、謂わば、“無”になって、仙石権兵衛の新しい第一歩を行くためじゃ。さぁ、いこうや。謹んで、厳かにの」
史上最大の挽回へと、一行はその一歩を進めていく。
センゴク権兵衛 127話の感想と考察
信長より始まる、群雄割拠から統一へと向かっていくプロセスと、このシリーズにおけるプロセスとが絶妙に重ねられています。
これから読む人にとっても、今回を読めば、権兵衛から見た織豊時代を概ね掴むことができると思います。
そして、どんなに振り返っても、やっぱり相変わらずの権兵衛です。
「無」の旗印は、シリーズでは、大名として取り立てられた『センゴク天正記』より掲げられています。
長篠での真田信綱・昌輝との口喧嘩も思い出されます。
三途の川の渡し賃の六文銭を掲げ、死を背負って戦うことを旨にしている真田家に対し、「戦に生きるも死ぬもあるか、無になるんじゃ」と「無」の旗印を見せつけていました。
挽回の第一歩も、やっぱり「無」になることから始まる権兵衛でした。